パニック障害診断

パニック障害の診断について説明します。

パニック障害の診断 とは?パニック障害は、100人に1~5人が経験?!

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パニック発作は、災害などのパニックを引き起こすような事態が発生していないにも関わらずパニックを起こしてしまう疾患です。
パニック障害のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、100人に1~5人が経験するという、あまり珍しくない疾患です(1)。
ここでは、 パニック障害の診断 について、その検査はどのようなものなのかを説明します。
 
 

パニック障害の主な症状とは

まずはパニック障害の症状をご紹介します。
冒頭で述べたように、「パニック」とは何か不測の事態が起こった時に陥るものですが、パニック障害の発作は「思いがけない時に突然起こる」ものです。個人差はありますが、このような発作は10分経たない間にピークとなり、30分程度で治まることが多いようです(2)。
このようなパニック障害の症状は、大きく分けて3つに分類できます。
 
 

パニック発作

まずひとつ目は「パニック発作」と呼ばれるものです。パニック発作はパニック障害の必須症状といえます(3)。
パニック発作は主に、
 
動悸、息切れ、息苦しさ
 
に何か詰まったような窒息感
 
・胸やおなかの不快感
 
・発汗、体の震え、寒気、熱っぽい
 
めまい
 
などの身体症状と共に、「心臓発作ではないか」「死ぬかもしれない」「気が狂ってしまう」などと思う恐怖を伴います(3)。
 
 

予期不安

これは、将来において発作が起こるのではないかと心配になってしまうことを指します。「予期不安」は持続性で、再発への不安が原因となっているので、パニック発作の時に生じる不安とは区別されます(3)。
 
 

広場恐怖

「広場恐怖」は予期不安によって、発作が起きた時にそこから逃げられないかもしれない、大勢の前で恥をかくかもしれないなどの不安を呼び起こし、発作のおきそうな場所や状況を避けようとする行動のことです(3)。
パニック障害を発症する人は、たいていの場合この広場恐怖を伴っており、ひどい場合には外出できないなど、生活に支障をきたすこともあります(3)(4)。
 
 

パニック障害の診断 ・検査(3)

ここまでパニック障害の症状や原因について解説してきました。
実際にパニック障害の疑いがある場合、いったい何を基準に「パニック障害である」と診断されるのでしょうか。
ここでは、専門家が用いている診断基準を紹介します。
パニック障害であると診断されるまでには、主に5つのステップがあります。
 
第1のステップは、「パニック発作」があることです。以下の表を見てください。
 
パニック表1
 
この表に記した症状のうち、4つ以上の症状を伴った発作が突然現れ、10分以内にピークに達する場合、それはパニック発作であると診断されます。
 
第2のステップは、パニック発作と診断されたその発作が「予期しないパニック発作」であることです。
つまり、前触れもなく突然発作が起こる、といった状況が複数回あった場合、第2の基準は満たされます。
 
第3のステップは、その発作が他の病気によるものではないと認識することです。
パニック発作のような発作は心血疾患や呼吸器疾患など、他の身体疾患でも起こり得るものなので、鑑別が必要なのです。
 
第4のステップは、「予期不安」などの不安症状が1か月以上続いているかどうかの確認です。
「また発作が起こるのではないか」という不安以外に、「気が狂うのではないか」「心臓発作ではないか」という不安から仕事が手につかないなど、実生活に支障が出る場合、この基準を満たします。
 
そして、最後のステップは「広場恐怖」があるかないかです。
以下の表2は、「広場恐怖」の診断基準を示しています。
 
パニック表2
 
「パニック障害」は、以上のようなステップを経て診断されます。
もしパニック障害の症状に心当たりがある方は、ご紹介した診断基準に照らし合わせてみてください。
症状がパニック発作であるかどうかの参考となります。ただし自己診断はあくまで参考ですので、基準に当てはまる場合は専門機関の受診をお勧めします。パニック障害の治療について詳しく解説している「パニック障害の治療は何科に行けば良いの?どのような治療が行われるの?」も併せてお読み頂ければ幸いです。
 
 

子供のパニック障害の診断

 
子どもの不安障害は意外に多く、児童の約1割が何らかの不安障害を持っているといわれています。子供の不安障害でもパニック発作が起こる可能性があります。通常、パニック発作とは、不安対象への反応として起こります。
 
容易に逃げ出すことのできない場所へ閉じ込められているという恐怖(広場恐怖)を抱いている子供は、混み合った講堂の中程の列に座っていると、パニック発作を起こすことがあります。パニック障害の子供の多くには広場恐怖も認められます。喘息などの身体の病気もパニック発作を引き起こすことがあります。
 
分離不安の子供は、親が離れるとパニック発作を起こすことがあります。初めて母から分かれて保育園に置いておかれるときに泣く子は多いですが、これがかなり長期に続けば病的であるといえるでしょう。パニック障害は幼少時に分離不安があった人が多く、またパニック障害の子どもにも分離不安障害が多いという報告があります。
 
以下にパニックになりやすい子供の特徴を6つ紹介します。
1.人見知りが強い
2.お母さんと離れられない
3.ある特定のものへの恐怖心
4.「もしも…だったら」の予期不安で体調が悪くなる
5.強迫観念が強い
6.対人恐怖がある
 
しかし時間が経つにつれて、子供は発作と関連がある状況を避けるようになります。この回避行動が広場恐怖につながることがあります。広場恐怖により子供は学校を嫌がるようになったり、ショッピングモールに行きたがらなくなったり、その他特有の行動を取るようになります。
 
子供がパニック発作に襲われた時の体の症状は大人と変わりません。
多くの場合パニック障害は、明白な理由がなくても悪化したり改善したりします。症状が自然に消え、また数年後に再発することもあります。また子供がパニック障害を発症してしまうと、不登校や引きこもり、学習障害などに繋がることがあり、子供の将来に大きく影響を与えてしまいます。そのため、家族のパニック障害への理解と早期発見が重要です。
 
参考(外部サイト)
http://merckmanuals.jp/home/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E4%B8%8D%E5%AE%89%E9%9A%9C%E5%AE%B3.html#v823712_ja
 
 
【参考文献】
(1) パニックの心理学(こころの散歩道) 新潟青陵大学
http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/saigai/2011sanrikuoki_eq/panic.html
(2) 医療法人 和楽会 http://www.fuanclinic.com/byouki/a_01.htm
(3) 竹内龍雄(不安・抑うつ臨床研究会)(2008).パニック障害とはどんな病気か パニック障害はここまでわかった 株式会社日本評論社 pp.5-16
(4) パニック障害ってどんな病気? 監修:東京大学医学教育国際協力研究センター教授 北村聖
http://www.myclinic.ne.jp/imobile/contents/medicalinfo/gsk/top_mental/mental_002/mdcl_info.html
 
 
<執筆者プロフィール>
須賀 香穂里(すが・かほり)
神奈川大学人間科学部・人間科学科所属。社会心理学や人間関係をテーマとした執筆活動を行っている
 
 

オススメリンク

 
関連した情報として以下のようなものがありますので、ご参考にしてください。
 
「パニック障害とは? 激しい不安、めまい、呼吸困難等引き起こす疾患とは」
 
「パニック障害と仕事 : パニック発作との上手な付き合い方」
 
「芸能人にも多いパニック障害 どうやって克服する?」
 
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「パニック障害の症状 とは? パニック発作とはどんな症状なの?」
 
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パニック障害の概要について医師が説明した以下の動画もご参考にして頂ければ幸いです。